ウシロスガタ 【完】

エンジンを掛けダッシュボートに置いた携帯を見つめた。


冷夏からのメールの受信を知らせるピンクのランプが目に入ってしょうがない……



けど、真実を俺に告げ……


何もなかったかのように笑顔でバイバイをして帰って行った冷夏の笑顔の裏側に



なんだか意味がある気がして……



その答えがこの2通のメールにある気がしてしょうがなくて……。



光り続けているランプから目を反らしギアをドライブに入れ、



中西のいるパチンコ屋に向かい車を走らせていた。



エアコンを入れると24度に設定している文字が俺の目に無条件に入り、



助手席には「冷夏私用だよ」と言った俺に喜んで足をバタバタさせていた冷夏の姿が浮かんで来た……。




何処にいても……


何をしていても……


冷夏の存在が俺の頭の中から消えてくれる事はない。



もし、冷夏が俺の傍からいなくなってしまったら……



考えただけで胸が苦しくなり



俺は音楽のボリュームを上げ窓を全開にしエアコンを切った。