ウシロスガタ 【完】

冷夏と出逢えた自分の運命というものに……


俺は喜んでいた。


それでも今頃になって冷夏と出逢えた運命に嘆いた。



だけど今日、俺は……



冷夏の運命をうらんだ……。



冷夏が人を愛せない理由……



あの寂しそうな瞳の本当の理由を知った俺は、




何も言葉をかけてやれない自分の無力さに絶望したんだ。




冷夏の事を全て知りたいだなんて軽い気持ちでいた自分が情けなくて。




アイツの負った苦しみや衝撃や悲しみを




俺も分け合う事なんて、出来やしねーんじゃないか……って。




情けねーけど、そう感じたのは嘘じゃない。




そんな冷夏が俺を好きになって幸せな気持ちを沢山くれた



じゃあ、俺は……?




冷夏に何をしてやれるんだろう……。