携帯を閉じると



俺の心臓の早さも徐々に
落ち着きを戻した




【一目惚れ】



その言葉にきっと相応しいのであろう




でも……



今までの俺にしたら
そんな事など考えられない



まだ…



自分の気持ちを何処かで
認めたくない俺がいた





“傷つくの恐いからね”



そう悲しそうに言った
冷夏の言葉だけが俺の心に残り……



そして、俺も傷つく事にまだ脅えていた。



《家、着いたかな?おやすみ!》


気付いた時には携帯を開き冷夏へメールを送信していた




――♪♪~♪~♪♪――



「はやっ!」



すぐに来た冷夏の返信に
驚きながらも慌ててメールを
開いた



《着いたよん♪今日はありがとう!おやすみぃ~!》



「おやすみ…」




冷夏からのメールに答え
俺はアドレス帳に冷夏の電話番号とアドレスを登録した