忘れていた。



この狭い空間で男と女が2人でいることが、どんな意味をもつのか……




悔しいけど、俺も男で、



好きになればなるほどに冷夏の全てを求めている自分もいた。




目の前にいる冷夏を変に意識しすぎて、




俺は気を紛らわそうとひたすら話し続けた。




「翔クン、今日よくじゃべるねっ!!」



「いや、いつもと変わんねーよ!」




自分でも良く分かってる、



冷夏が不審に思わないわけがない。



「なんかあった……?」



冷夏の眼差しが、俺に突き刺さって変にドキドキさせ思わず立ち上がり、



コルクボードに張ってある自分の写真に指をさした。




「これ、4年前の俺なんだ」



何を話し始めてるのか自分でも良く分からなくなって、頭をかいた。




「若い~!!あんまり変わってないけど!!」



冷夏が俺の近くに立ち、写真を眺めてる姿を、俺はその後ろから見つめていた。



落ち着きがない俺はソファーに腰掛け、



自分の気持ちを落ち着かせようと必死だった。