「おじゃまします」


玄関で言った冷夏の言葉に、



俺は慌てて、親父のいる部屋に「友達来たから」そう言い自分の部屋に冷夏を案内した。



「どした??」



「あ、ううん」



一瞬だけ冷夏の表情が気になったが、俺は親父のいやらしい視線を思い出し、




冷夏を一人、部屋に残して親父のいる部屋へと駆け込んだ。




「女か、彼女か??」



にやけた顔が戻っていない親父に必死に、いいわけをしていた。




よく考えれば、なんで冷夏を彼女と胸を張って言うことが出来なかったんだろう……。




そう思いながら、自分の部屋のドアの前で首をかしげた。




「ごめんな、冷夏」



「大丈夫だよ」



テレビにベッド、パソコンにテーブルにソファー。



物がゴチャゴチャしてるのが嫌いな俺は、



男ながらも、綺麗に整頓してるつもりだった。




「なんもねぇーだろ??」




ベッドの前に腰を下ろし、ひょこんと座ってる冷夏を見ながら



俺は少し落ち着きがなくなりながらも冷静に話してるつもりでいた。