普通のカップルに出来る事が


俺達には許されなくて……


それでも秘密の場所で、


たったわずかな時間でも一緒にいられる事を幸せと言い聞かせていたんだ。



俺はギアをドライブに入れて車を動かした。



「お客様、どちらまで行かれますか?」



「………」



「お客様……?」



「幸せな場所まで……」



その冷夏の言葉にブレーキをおもいっきり踏んだ。



「どしたの??」



急に止まった俺は虚しくも一瞬変な事を考えていた。



「幸せな場所って……」



「んっ?なんで?翔クンもしかして……」



そんな冷夏の言葉に顔が緩んで元に戻らなかった。




「翔クンのエッチ!!」



「ああ、エッチさ…いや、変態の領域を越えてるかもな」



俺の言葉に冷夏は照れたのか顔を反らしていた。