ウシロスガタ 【完】

「なんで、そんな格好してんの?」


冷夏がいつもの場所に着き、俺の車に乗り込んだ瞬間に、


短いスカート姿の冷夏に苛立ちを抑えきれなかった。



「えっ??」


「誰に見せるんだよ」



呆れながら言う俺に悲しそうな顔をしながら下を向いてた。




「ごめんね」


「仕事に行く行き帰りだけだろ?そんな格好していくなよ!!」





異常だろ……



心の中で自分の放った言葉に後悔していた。



だけど、これが本心……



嘘偽りのない俺の心の中……



俺は、冷夏に男たちの視線が注がれる事さえ嫌だった。




「本当に、ごめんなさい」



黙りこんだ冷夏は窓を眺めていた。





冷夏に逢いたくて、楽しみにして待ちぼうけしてたはずなのに……



幸せな時間を冷夏と過ごしたくて、俺はウキウキしながらここに来たはずなのに……




俺はハンドルを叩き、顔を伏せた。