ウシロスガタ 【完】

少しずつ……


俺達は現実にぶつかって行き、



避けて通れないものが沢山あった。



それでも、確信できるものが欲しくて冷夏を求め続けた。





その頃……



俺の大嫌いな暑さも、夜になると心地いい暑さに変わり



冷夏と出逢った季節…




夏の終わりを知らせていた。




《冷夏?今日も店?》



《そうだよ、どうした?》



《店の前に逢いたい……》



《うん♪》





たった10分でも、5分でも…



冷夏に逢えない日は俺にとって苦痛でしょうがなかった。




それでも、



たった10分でも、5分でも冷夏の姿を見るだけで、



ぬくもりを感じられるだけで、




俺の心は満たされていた。





もっと、一緒にいたい気持ちをお互いに押し殺しながらも、



一生懸命、繋がっていたんだ……。





必死に、




ギリギリのところで……