ウシロスガタ 【完】

《今よ、ホタルが俺の部屋にいた》


《ホタル……?》



《そう、ホタル。》



《冷夏の部屋にもいるよ》


俺が何を言いたかったのか悟ってしまう冷夏、


いや…冷夏も同じ事を考えてたのかと思うと歯痒くなった。



《まさか、同じ事……》



《やっぱり?携帯のでしょ?たまにホタルが受信を教えてくれるんだよね!だから冷夏は黄色にしてる☆》



《残念っ!俺は緑だよ》



《変えてよ〜!》



《しょうがねぇーな…》




たまに思うんだ。



子供っぽい所がある冷夏。


無邪気な笑顔とか飾らない行動……



大人になって行くと失って行くものが沢山ある中で…



そんな姿を見せる冷夏。




だけど俺はもう1人の冷夏の顔も知ってるんだ…。




悲しいほど冷めてる冷夏を



一瞬、笑顔の裏側をとてつもなく知りたくなった俺がいた。