携帯を片手に冷夏の指定着信音が鳴るのを俺はひたすら待っていた。


この時間が嫌い…。



俺を不安にさせる。



考えたくもない旦那の存在に脅えながら一生懸命打ち消す。



そして消え去る事のない、

男と女の関係…。



1番考えたくもない事だけど、1番頭の中から消えてはくれない。




冷夏は旦那に抱かれてるのだろうか。




「ちくしょー」




暗い部屋のベッドの上で
1人自分の考えに苛立ちを隠せず起き上がった。



「割り切れねぇーよ…」



悲しい現実……。



気持ちが繋がっていようが背を向ける事のない毎日。



蒸し暑さのせいか、



俺の苛立ちのせいか、



汗が滴り落ちて来て、
俺は洗面所に向かい頭から水をかぶった。