「……かよ、さと!!」


「えっ?」


「だから、今は入れないって」


「なんでだよ!!」



「申し訳ございません、ただいま満席でして……」



「じゃあ、ここで待ってます」



「さと!」



「分かりました……申し訳ありません」



そう言いながら、扉が閉められ俺と冷夏の間にとてつもない距離ができた。



「くっそ……!」



何とも言えない感情がわいてきて、


もう俺には押さえ切れなくなっているのが分かった。


「すぐ入れるよ…」




そんな優しく漏らした中西の言葉なんて今の俺の耳には素通り……




店の扉から少し離れた所にしゃがみタバコの吸い殻だけが、溜まっていった。