「おい!さと、どした…?」



店の扉の前で足がすくみ、立ち止まってる俺がいた。


心地良かった風さえも、暑苦しく感じ……



ちっとも心地よくなんてない。




俺と冷夏が出会った場所。



なのに足がすくみ前に出ない……。




冷夏が俺以外の男に向ける優しい笑顔を、



俺以外の男に接する事も、


全てが目の前にある扉を開けたと同時に視界に入る事に苛立ちと不安で葛藤していた。




俺は全てを受け止める事が出来るのだろうか……。




どの位時間が経ってしまったのか分からなくなっていた時、




目の前に塞いだ大きな扉が開いた。




「中西……?」



「行くぞ!バカ!!」




勢いよく開けた扉から黒服を着たボーイと呼ばれてる男が中西の前を塞いだ。