ウシロスガタ 【完】

冷夏と同じ物が俺に付いてるだけで心が軽くなって、

何度も何度も自分の足を見つめた。




「さと！お前ﾏﾁﾞでいっちゃったな…」



「なにが？」



「冷夏ﾁｬﾝにﾍﾞﾀ惚れって事だよ！」



「だって愛してるもん」



俺の言葉に誰もが口を閉ざし、注目を浴びていた。



きっと、こんな俺を誰一人見た事がないのだろう。




それもそのはず…。



俺ですら自分が分からなくなっちまってんだから。




こんなに自分の気持ちを素直に口にする事なんて、今までなかっただろう……。



「ご馳走様です」




そう言いながら、むさ苦しい男連中が集まる部屋の中は俺達の笑い声だけが響き渡っていた。