ウシロスガタ 【完】

「翔クン、はやぁーい!」



冷夏が車から降りて来て、俺の横にひょこんと座り込んだ。


「だって俺、ずっとここにいるもん!」


「マジ……?」


「ひいた?」


「いや……」


「嘘だ!ひいたろ?今キモッ!って思ったろ?」


「な…こと……」



冷夏が愛おしくて、
おもいっきり抱き寄せた。



「翔クンってば……」



「ばーか、俺は本気だよ?冷夏とこれから先すれ違ったりしたら、ずっとここで待っていられるよ?」


「冷夏だって同じだよ?」


「いやぁ~冷夏は無理だなぁ……」


「なんでよ!!」



俺から一瞬だけ離れ、不貞腐れた顔をした。



「寂しがり屋サンだからだよ!」



笑顔が零れ、冷夏はまた俺にしがみついた。



「冷夏も待っていられるもん……」



そう言いながら、再び俺にしがみ着いた冷夏の頭を撫でながら



おもいっきり冷夏を感じた。