今までの冷夏からのメールを
読み返しながら、時間だけが過ぎて行った。



全てを読み終えた後、
俺は静かに携帯を閉じ目を潰った。




俺は……



冷夏に何をしてあげたんだろう……。



冷夏は俺に沢山の感情を
教えてくれていた。



気付かない所で沢山の愛を教えてくれた。




“人を愛する事の喜び”




そんな気持ちを教えてくれたのは、



他の誰でもない冷夏なのに



冷夏を思っての、



苦しみも悲しみも辛さも、



もしかしたら幸せの1つなんじゃないか……





いつも笑顔でいる冷夏の心を俺は本当に分かってあげているのか……




考えれば考えるほど、
自分がただ冷夏を苦しめているだけに思えた。




人の気持ちを全て見抜く事なんて不可能なのだろう。




それでも、
相手の気持ちを分かろうとする努力は決して出来ない事じゃない。





俺は携帯を開き冷夏にメールを送った。






《ずっと、冷夏の笑顔を見ていたい……。冷夏を愛してる》