複雑な思い……。



冷夏の仕事姿が凄く気になる反面、



現実の世界を見るのが恐い自分もいた。




俺が冷夏と出逢った、あの場所を汚したくなくて……



それでも、中西の言葉に俺は賛成していた。



その日は、不思議なほど、2人揃って連チャンをかましていた。




また、それが俺を不安に落とし入れていた。



ーーブブブ、ブブブブ--




スロットの台に立てかけていた携帯が小刻みに震え、俺は冷夏だと確信しながらメールを開いた。



《おはよ~ん♪まだ寝てるね!!》





「冷夏ちゃん?」



「そう」



《起きてるよ!今スロットにいる》



《早くない?朝から?》



《開店と同時だよ》



《寝てなんだね……》




俺だけじゃない、



冷夏だって苦しんでいる。



最近は冷夏の起きる時間がだんだん遅くなってきているのに俺は気づいていた。



毎日、朝まで続くメールのやり取り。



そんな中、俺の不安をただぶつけてる日々……。




冷夏だってきっと俺と同じように、ちゃんと寝れてないのかもしれない。



そんな事に今気づいた自分が情けなくて、溜息をついた。



《冷夏もだろ?》



《そんな事ないよぉ~!!爆睡してるから(笑)》



そんな冷夏の強がりの嘘さえ、



なんで今まで気づいてやる事が出来なかったんだろう。




《嘘つけ!!今日も店だろ?》



《そうだよ!!》



《じゃあ、行く前に逢える?》



《うん!!大丈夫!!翔クンは平気なの?》



《俺は暇人ですから(笑)》



《ば~か!!じゃあ、後で逢えるね!!》



《おう!またメールくれな?少し昼寝出来るならしろよ!》



《ありがとう★》



俺は携帯を閉じ、また集中出来ないスロットを打ち始めた。