「車、行こうか?」


「うん♪」



いつもの笑顔と変わらず、冷夏は俺の助手席に乗った。



今日もきっと、冷夏が俺の車から降りた後、



冷夏の香りが残るんだろう……。




そう思うだけで、なんだか幸せだった。



「あっ!!また24度になってる~!!」



「だから言ったろ?冷夏仕様だって!!」



クーラーの温度を見ながら、冷夏は幸せそうにほほ笑んでた。



俺も、そんな冷夏の笑顔を見て自然と笑顔になれた。




「なぁ?」


「んっ?なに?」


「なんか、車乗って感じない?」


「えっ?なにか違うの?」


「当ててみな?」



ちょっといじけた顔をしながら、冷夏は俺の車を見渡した。



「わかんないよぉ~!!」


「わかんねぇーの?」



そう言うと、冷夏は窓を静かになぞった。