《そろそろ寝ようか…》


どんなに、嬉しい夢でも


どんなに、幸せな夢でも


目が覚めたらそこで終わり



もうすぐ、そんな夢のような幸せなひとときが今日もまた終わろうとしている。


《そうだな…》



携帯の画面の時計に目を移すと朝の6時をすぎていた


《今日も天気になりそうだね♪起きたらまたメールしてねっ☆彡》




いつもいつも俺と朝方までメールを続けてくれる冷夏。



夢から覚めて現実に戻った瞬間にいつも、自分が情けなくなる。



冷夏は俺とメールを初めてからの睡眠なんていつも、
3、4時間。



へたすりゃ、本当にわずかな時間しか寝れてない。




子供がいるからゆっくり寝る事なんて出来てない。




冷夏からの“おやすみ”のメールから“おはよう”のメールの時間を見る度に辛くなるのに……




それを知っておきながら
自分の感情を抑えられずに毎日せめて繋がりが欲しいとメールを送り続ける俺……



そんな自分の不甲斐なさに肩をおとした。



《冷夏?ごめんな》


《えっ?何が~?》



《俺が出てきたばかりに寝不足でごめんね、大変なのに》


《そんな事ないもん!大丈夫☆》


《大変なのにな……》



《だから大丈夫だって!!だって幸せだもん♪》




幸せ―――




その言葉を冷夏から聞かされて、


俺は涙が出そうになった。


辛いのは俺だけじゃない、


弱音や不安を
出さない冷夏は、


どれだけ強い女なのであろう