《ごめんね…翔クン》


《俺も今から帰るよ》


《気をつけてね!!》


《冷夏もだよ?家着いたら連絡くれな》


《分かったよ》



初めから、辛い恋愛を選んだのは俺……。



こんな苦しみより、冷夏が俺の前から消える事にただ、


脅えてたはず。



だったら、これぐらい乗り越えられる。



今の苦しみを辛さも、



冷夏が俺の傍にいるからこそ、沸いてくる感情。




俺は隣で酔いつぶれている中西を見ながらため息をついた。




《今ついたぁ~!!翔クンは??》


《俺もたった今着いたところ》


《同じぐらいだね♪》


《冷夏の店の近くで飲んでだからさ!!》


《そうなの??なんだぁ、知らなかった》


《だから、着く時間も一緒だろ(笑)》


《だよね?近いもんね!!》



冷夏の家の距離と、


俺の家の距離……。



悲しいくらいに近いのに、


今すぐにでも逢える距離なのに、逢えないもどかしさ……



理解しているはずなのに、



承知しているはずなのに、



なぜか、俺の胸に酷く痛みが走った。