ウシロスガタ 【完】

「お前、飲みすぎじゃね?」


「どーせ、車置いてきたしてか、お前飲まないの?」


「あぁ。いらねー」



俺はもともと酒が弱く、美味しそうに飲む奴等の気持ちが分からなかった。



中西がほどよく酔っ払ってる目の前で、何度も何度も携帯を開いては、時間とメールをチェックしてた。



「お前よ、うぜーよ」


「はっ?」


「気にしてんなら、メール入れろよ?」



どうしてここまで、俺の心をコイツは読みとってしまうのか……



そう考えながら俺は携帯をとり、画面を眺めてた。




「俺、耐えられっかな」


「はっ??」



冷夏からのメールがない事に不安を隠せず、



もうすでに、俺の中で
“冷夏は俺のもの”
そんな感情が生まれてた。



「嫌なんだよ、冷夏が他の男と話したりしたんのが」



「はぁ~」



大きく、ため息をついた中西は、定員にまたビールの追加をしていた。



「ちっちぇー男!!」



そう言いながら、ジョッキに入っていた、残りのビールを飲みほした。