ウシロスガタ 【完】

《着いたよ!!頑張るね》


そう冷夏からメールが受信された時に、俺は1人になりたくなくてパチ屋に入った



《そんな頑張らなくていいよ》


《そっか……》




悔しいけど、やっぱり人間は贅沢なんだ。



俺の中に新しい感情がまた1つ増えていた。



《今日はありがとな!!冷夏を見ていたら、なんだか抱きしめたくなっちゃった自分がいたよ》



《ヘヘッ♪翔クンったら!!》




ーー嫉妬ーー



俺はこの芽生えた感情に、負けないでいられるのだろうか……。



《また、メールしてな》



初めは、好きになって貰えることすら、奇跡だと感じていたのに。




もう、俺の心は簡単に動かされていた。



好きという、その感情が
あるだけに……




冷夏が店に行ってる間。


俺は中西をパチ屋で見つけそのまま拉致った。



「なんだよ、おごれよ!」


「あぁ、わかってんよ!」


俺の少し、ニヤケタ顔を見ながら、中西はニタニタしながら近寄ってきていた。



「その顔……うまく行ったのか?」


そんな言葉に、俺はニヤケタ顔が戻らず、笑って見せた。



「ったくよ、今度は惚気かよ?」


「ちげーよ!!色々、大変だよ、でも負けねー」


そんな俺の言葉に中西は、爆笑した。



「なんだよ?」


「いや、頑張れ!!」



そのまま、中西と近くの居酒屋に入り、俺は飯だけを食っていた。