ウシロスガタ 【完】

「はい」


「翔クン?」


「着いたか?」


「着いた……」


「つーか、電話なんて初めてかけて来たからびびったつーの!」



「電話のが早いと思って」


「そっか!冷夏よ、そのままコンビニ下って来て2っ目の路地を右入って?」


「えっ…あそこ入れる?」


「やっぱり、知らなかったかぁ~!そこに俺いるからさ」



「分かった」



そう言って電話が切れた。


俺は電話を切ってからすぐに着信履歴を開いた。


初めて残る冷夏の名前に俺は嬉しくなり携帯を閉じた。




外に出ていいのか分からず


俺は冷夏の車のライトが近付くに連れて胸を撫でた。



俺の後ろに車を停め、
降りて来たのをミラーで確認しながら



俺も車から降りた。



「久しぶり☆」


「うん、でもここ入れたんだ?」



「知らなかったろ?秘密の場所♪てか、友達がすぐそこに住んでっから、いつもここに置くだけ!」



「そうなんだぁ~ここは
知らなかったな……」



「とりあえず乗れよ!少しここから離れよう?奴に見られたら、また冷やかされるから」



「うん」



そう言いながら、俺は車に戻り



冷夏が助手席のドアを開けた。