―プルルルル♪プルルルル♪―



「なんだよ!てか、電話かよ?前にいんだから来いよ!!」



「だりぃ~から!つーか、洗車付き合えよ!」



「……ったく、お前はよ、さんざん俺を待たせといてそれかよ?」



「いいじゃねぇーかよ……付き合えって~」



「はい、はい……わかりましたよ。さと、この借りはちゃんと返して貰うからよ!!」



「分かったよ!じゃあな」


そう言いながら電話を切り

俺は中西の車の後を追った。




《ねぇ?まだ寝ない?》


信号待ちで冷夏にメールを
送信した。


《うん、寝ないけど……
なんで?》



《メールしてないと俺……
ダメだ……》



《うん、全然平気っ♪
まだ寝ないよ……》



冷夏からのメールを見て、
俺は微笑んだ。



そして……



俺からのメールを見て、


“冷夏が少し微笑んでくれたら”


そう願っていた



《眠くなったら言ってね》


《うん、分かったよ…!》



そう――


俺達は必死に繋がってた


メールで必死に……


毎日繋がっていた。



俺は冷夏とのメールのやり取りが幸せだったんだ。


たかがメール。



そう思うかもしれない……


それでも、
俺達にとってのメールは



なくなってはいけないもので、



唯一の繋がりだった