ウシロスガタ 【完】

画面を見ていると、メールが受信された


俺は、そのメールが冷夏からのモノだと思い、胸を痛めた



ーー18:27--


携帯の時計を見ると、夜の10時を回っていた。



俺は手が震える中、メールを開いた



《本当にごめんなさい…翔クンのこと傷つけて……》



「れいか……」



込み上げてくる気持ちを押し殺しながら、俺は返信ボタンを押して、メールを送信した。



《現在、結婚してるって事ですか……》



何も、考えずに送ってしまったメールは俺の気持ち全てだった。



ただ、送信画面を見つめてボーっとしていた。



「さと……?」



「ちょっと、俺、車の中にいるわ」


「あ、おう……」


そう言うと、中西も自分の車に乗り込んだ。



ーー♪~♪♪~♪~--


すぐ帰って来た返信に、冷夏が俺からのメールを待っていた事が伝わってきた。



《うん》



そのメールはとても悲しく、



俺はそのメールから目が離せず、



それと同時に現実の世界に入り込んだ。





《今、結婚しているとは思わなかった》


《ごめんなさい》


《メールとかしてて旦那に悪いと思わないの?》


聞きたい事なんて、山ほどあったはずなのに、


俺は、冷夏を攻め続けた。



俺の打ち砕かれた気持ち、思いそのものを、冷夏へと全てぶつけていた。



分かってた……



俺も冷夏を傷つける事くらい。



俺の言葉1つ、1つが冷夏を思い詰めてる事くらい



それでも、俺は怖かったんだ……



傷つく事だけにずっと脅えてるから……


携帯を片手に、冷夏からの返信をずっと待ち続けていた。