私を気づかったせいで、廉也が困っている。
……こんな些細なことで、來叶のお父さんを不愉快にさせてしまうかもしれない。
そうしたら、きっとお家の会社の商売にも影響が出てしまうかもしれない。
それに、廉也と一緒にいようと決めた今、この先何度も來叶のお父さんに出会うだろう。
その度に來叶のお父さんを避けるなんて無理だ。
いつの間にか廉也の手ではなく、自分の手を握っていた。
力強く握った拳は、力を入れすぎて爪が食い込んでいる。
ゴクリと喉を動かし、グッと心に力を入れる。
変えようとしなきゃ、変われない。
大丈夫。
私の隣には廉也がいるから。

