「まあ、ここまでくると察しがつくかもしれねぇけど。
俺の家は、かなりでかい金持ちだったりするんだ。」
私とは真反対の、家庭環境。
私が心から望むものなのに、なんで廉也はこんなに幸せそうじゃないんだろう?
「俺は長男だから、当然後継ぎも俺だ。
ガキの頃から、いろんな企業に強制的に連れてかれて、パーティーも毎日のように行った。」
何かを悔しむんじゃなくて、何かを悲しんでいるみたい。
廉也の世界が、廉也を苦しめてるみたい。
「ある日、誘拐されたことがあってな。
まあ、いわゆる “御曹司” な訳だから、当然覚悟はしていた。
けど、俺を拐ったのは漫画みたいな身代金目当てとかじゃなかったんだ。」

