妊娠………? 『誰が?』というのは野暮な質問だけど、つい言ってしまいそうになる。 この場で、このメンバーで、考えられるとしたら。 答えはたったの一つしかないのに。 「わ、たし……?」 背けた顔を戻し、みんなを見れば、誰もが複雑な表情。 おめでたいことなのに…… その父親は、彼しか考えられない。 だからこそ、彼が死んだ今……素直に喜べない。 「……10週目だってさ。」 疾風はどこか嬉しそうで…… 私のお腹あたりを見る。 「そういえば、2週間くらい前に悪阻みてぇなものになってたな。」