「美愛っ?!」



ストン、と体の力が抜け、悠に支えられた体。




………ねえ、どうして?




私の隣にいるのが何で悠なの?



いつもみたいに、來叶が手を握り返してこないの?



なんで……笑ってくれないの?




「嫌……」


「美愛?!」



「いやぁぁぁああああっ!!」




その叫び声を最後に、私の意識は無理矢理切れた。





後で聞かされた話……



彼は横断歩道の真ん中で、突っ込んできた車に轢かれたらしい。



すぐに捕まえられた犯人は、來叶とは面識のない男だった。




だけど、その事件の黒幕は………私が最初に売った、あの男だった。