《side 廉也》 「廉、こっちは異常なさそうだよ。」 「ああ。」 合流してきた奏に、軽く頷く。 時間は午後10時。 俺たちは、繁華街とホテル街が集まった場所に来ている。 「この5人で見回りなんて久しぶりだな。」 「………廉が外に出るのが珍しい。」 みんな個々の感想を述べているが、楽しんでいるのは明白だ。 幹部だけが揃ってパトロールは、かなり稀なことだ。 だが、今日だけは特別だ。 幹部が揃って見回りをするのも、転校したのも、ここが新しく俺らの敷地になったからだ。