「死にたい……」






ーーーそんな、絶望の淵だった。





私の瞳に映るのは、青い水平線と輝く満月を背景に



走り去る、男たち。






「綺麗………ーーー。」




思わず、立ち止まり目の前を通り過ぎる男たちに釘付けになる。




深夜2時。



バイクに乗り、赤い炎の翼を旗に掲げ、



楽しそうにはしゃぎ、嬉しそうに笑みを見せる彼ら





なんて魅せられる光景なんだろう




「あの人たちに……なりたい。」




自然と流れる涙を拭うより、


その光景を一秒も逃さず見たかった。





過ぎ去ったあとも、私の心の中にその光は力強く輝いた。