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「………懐かしい」
電車を降り、美愛から放たれた第一声。
故郷といっても、田舎とは程遠い街。
でも、どこか落ち着いた雰囲気を放つ此処が、俺たちの帰りたい場所。
「ここ駅の改札とか、別に今住んでる街と同じものなのに……変だよね。」
そう言いつつも、顔を綻ばせ (ほころばせ) ふわり、と優しく笑う美愛。
「久しぶりに見た。」
「え?」
「いや、なんでもねーよ。」
その温かい笑顔を俺が見るのは、あの頃以来だ。
「どこから行くの?」
「行きたい場所に、行けばいい。
適当に歩いて行こうぜ。」

