でも……
「今なら、その過去を大切にすることが出来るでしょ?」
「……どういうこと?」
突然の私の言葉に、藤堂奏は視線を再び私に向けた。
どういうこと?、って言われても。
そのままの意味だけど。
だって、今の藤堂奏には、過去をただの苦痛にするんじゃなくて、受け入れられるんでしょ?
だから、私に話したんでしょ?
「……もうあなたの周りには信頼できる仲間がいるんじゃない。」
私の一言に、何かに気付かされた藤堂奏の瞳が、じわじわと潤んでいく。
「過去があるから今があるけど、でも “過去” と “今” は別のものでしょ?
今、藤堂奏にとって龍嵐は、裏切らない仲間なんでしょ?」

