「親も側にいてくれない。
友達もいない…。
寂しかった。悲しかった。泣いてばかりの最悪な過去だった。」
思い出したくもないことを思い出したせいか、藤堂奏は顔を歪めた。
一気に話し、なおも何かを思い出すように何もない空中を見つめている。
自分の過去を話せた彼は、今、どんな気分なんだろう?
もしかしたら、昔の最悪な日々と、その時の気持ちに浸っているのかもしれない。
時々、感傷に浸りたくなることは、誰にでもあるから……
その孤独の感情は、私も知ってる。
友達がいないっていうのは、とても辛いし、寂しいし、悲しい。
周りに憧れてしまうから、尚更自分が惨めになる。

