「麻薬の売人とかもやってるし、有名な手口で言えば、オレオレ詐欺とかから、あんまり知られてないロマンス詐欺……
幅広く手をつけて、器用に人を騙す。
そんな環境で、俺は育ったんだ。
麻薬の売買の時は、子ども同伴だと目を付けられにくいから、一緒に連れていかれた。
そばで、そういう親を見て生きてきたせいで、俺は気が付けば人を騙すためのテクニックを身につけた。」
犯罪者の子ども……
それは、本当に残酷な運命。
それが当たり前だと思い、育つから……
気が付けば自分の心まで、影響されてしまう。
「人の言葉の使い方、
ちょっとした仕草や何気ない癖、
声の調子や、表情の微かな変化……
全てを無意識に頭に入れて、それを全て相手の感情や思いに自動で変換する。
するつもりがなくても、相手を自分に合わせようとしちゃうんだ。
友達の裏切りとか、すぐにわかってしまうし、知らなくてもいいような秘密が何と無く見えてしまう。
だから、みんなも何と無く俺を警戒するようになって……
俺がこの力は人と違う、と気がついた時には、もう誰も周りにいなかった。」

