龍嵐の幹部には、俺と美愛が恋人になったのは言った。
だが、実は、美愛の彼氏については何も言わなかった。
誰も聞こうとしなかった、というのもあるけどな。
「その程度しか知らないお前らには、
美愛がどれだけの覚悟で生きているのか、絶対にわからない。
自分たちを不幸だと嘆き、美愛を受け入れないお前らに、美愛が心を開く日は来ない。」
それだけ言うと、美愛の腕を引っ張って、男は歩き出す。
「あ、悠希さん待ってくださいよ!
俺たちを置いていかないでください!」
そんな声を聞きながら、俺は離れて小さくなって行く美愛の背中を見続けた。

