あの場にいた幹部は、要の他には後ろの方で仲間に指示を出していた灰色の髪の男だろう。
1人足りねぇってことは……美愛の所にいるだろ。
2階に上がれば、部屋は一つしか見当たらなかった。
俺は、そこの扉を躊躇いもなく開けた。
敵の幹部1人ごときにビビるわけねぇだろ。
「美愛!」
その部屋の様子に、俺は目を見開いた。
部屋に置かれたソファーの上。
毛布をかけられた美愛がよこたわっていた。
変なのは、その表情だ。
真っ青な顔色に、色味のない唇。
気を失っているにもかかわらず、震えている体。
閉じた瞳から頬にかけて、涙が伝った跡がある。

