「お次は社長様のお友達です。どうぞ」
「こんにちは。松山和彦(マツヤマカズヒコ)です。 藤倉とは大学の同級生で黒崎と三人よくつるんでました。 仕事は、代々旅館を経営しています。私で五代目です」
「松山さんもおおららかで優しいです。好男子という言葉がぴったりです」
「志織さん、褒めてくれても何も出ないよ」
「いえ、私はお世辞は言いません」
「ハハハ…本当に何年経っても可愛いねえ。藤倉には勿体無い」
「松山?」
「あ、恭介さん。恭介さんはあちらへ」
「志織、お前…松山を庇うのか」
「庇ってません。馬鹿なことを言ってないで」
「馬鹿とは何だ、馬鹿とは」
「恭介さん…」
「あ~藤倉、夫婦喧嘩はすんな」
「してねえよ」
「志織ちゃん、社長様をあちらへ… ふぅ~松山さん、失礼しました。読者様にメッセージを」
「あの二人の節目に家の旅館が使われてます。どうぞ、ご贔屓に」
「さすが、旅館の若旦那。では、社長様にメッセージをお願いします」
「志織さんをあんまり縛り付けんなよ。その内に愛想尽かされるぞ」
「…案外 過激な若旦那でした」



