俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ

オレの仕事ぶりや、学校での事を、密着取材された時期もあった。

いい気はしないが、大きな財閥の息子なのだから、

我慢もしなけらばならない。

…それから1年半後。

オレは進学校を卒業し、K大に行く事が決まった。

…オレはとある場所に向かう。


1年半前まで通っていた高校に。

…今日は、高校の卒業式だった。

オレは杏に会うために、ここに来た。

杏をこの手に取り戻す為に。


…正門の前で待っていると、卒業生が次々に出てくる。

オレは辺りを見回し、杏の姿を探す。



「…何で、龍がここにいるんだよ」

そんな声が背中に聞こえた。


ゆっくりと振り返ると、そこには、雷の姿があった。

「…雷」

「何しに来たんだよ」


「…杏は?」

「・・・」


「・・・頼む、杏がどこにいるのか、教えてくれ」

「…杏はここにはいない」

思ってもいない言葉に、オレは凍りついた。