俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ

【龍side】

雷に言われた一言は、流石にきつかった。

自分では、親父の敷いたレールの上など、

歩いているつもりはなかった。

親父が嫌いそうな格好をして、まともに授業も受けてなかった。

反発してるつもりだった。


…でも、今は実際、親父の敷いたレールの上をオレは歩いてる。

言われるままに社長の代理をし、その合間には、家に来た

家庭教師の授業を受けている。


会社の仕事を覚える為、会社近くの高校に編入も決まった。

その高校は進学校で、大学も一流の大学に行く奴らばかり。


勉強は元々嫌いじゃなかった。だから勉強もした。

会社の仕事も覚える為に、毎日会社に通い、仕事をして、

頭で、体で覚えた。…でも、今のオレはもう、

親父の敷いたレールの上を歩いてるわけじゃない。


藤堂財閥を受け継ぐのは長男であるオレの使命。


だからそれをしっかりと受け止める覚悟は出来た。

だからと言って、杏を忘れはしない。

一人前の大人になって、アイツを迎えに行く。

必ず、オレの手で、杏を幸せにする。


そう心に誓って、オレは今できる精一杯の事を、

やっていく。