俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ

杏はこちらに向くと、

ニッコリ微笑んだ。

その笑顔に、オレも杏の父も、

安堵の溜息をついた。

・・・

でも、一番気がかりな事が、

杏の耳はどうなっているのか、ということ。

・・・

「…杏、オレの声、聞こえるか?」

「・・・」

聞こえないのか?

オレも親父さんも、生唾を呑み込んだ。

・・・

「…聞こえるよ?」

杏はさっきよりも、もっと可愛らしい、

満面の笑みを見せた。


「ちょっと、待ってなさい・・・

今、先生を呼んでくるから」

親父さんはそう言って、病室を出ていった。

・・・

オレは何とも言えない気持ちになり、

寝転んだままの杏を、ギュッと抱きしめた。

・・・

「よかった・・・」

「…心配かけて、ゴメンね…龍」