俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ

龍は私の手を掴むと、

家に向かって歩き出す。

人もまばらになったところで、

私は龍に小さな声で問いかける。

・・・

「・・・なんか、怒ってる?」

その声に少し驚き、

でも顔はそのままで、

龍は言った。


「・・・別に・・・ただ」

「・・・ん?」


「オレはさっきの男は嫌いだ」

「・・・何、それ」


「いいから行くぞ」

「ちょっ・・・」


何かをはぐらかすように、

私の手を握りしめ、

龍はまた歩き出す。


「・・・ヤキモチ?」

冗談のつもりだった。