俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ

清二先輩とも、話しをしたことのない私。

それを承知で、清二先輩は、

一方的に話をする。

私は相槌を打ったり、首を振ったりと、

それくらい。

それでも、こうやっていろんな話をしてくれる

清二先輩が、私は好きだった。

・・・

好き。

それはもちろん、先輩として。

異性として見た事など、

一度もない。

中学までは、好きな人の一人くらいはいたけど、

自分の今の病気を思うと、

好きな人すら作るのが怖かったから。

・・・

「それでさ「杏」

清二先輩の声を遮って

聞こえてきた声は、龍の声。

振り返ると、

不機嫌な顔をした龍が、こちらに向かって歩いてくる。