「まだ喋れるのに、今まで喋らないし、

・・・いいのか?

いつまで喋れるかわからないのに、

ずっと無言を通すのか?」

先生の意味深な発言に、黙って頷いた。

・・・

先生は溜息をつく。


「…分かった。進藤がそれでいいならいい。

ただ、『あっち』の調子が悪くなったときは、

先生の誰でもいい、ちゃんと言え。・・・いいな?」


私は二度頷いて見せた。

・・・

それを確認した先生は、

仕事を始めた。

私は軽く会釈して、職員室を出た。

・・・

やっぱり変よだよね。

一言も喋らないなんて・・・

友達も誰一人知らない、私の秘密。

それは私が喋らない理由でもあった。