梨紅side

目を開くと見覚えのないベッドに寝ていた。


びっくりして身体を起こすと、寝ていたベッドの部屋のドアをとおして、キッチンで何かを作っている匂いがした。


私は、ゆっくりそのドアを開けると、キッチンに立つ秀の姿がある。



「あのぉ...秀?」


秀は私を見ると、起きたかと声をかけてくる。



そして私をダイニングテーブルに座らせると、私の前に朝ご飯であるサラダと目玉焼き、トーストを置いた。


「召し上がれ。」


「あ、い、いただきます。」

私は朝ご飯を食べながら秀に話しかける。


「秀、どうしてここに私が...?」


「昨日、ベロンベロンに酔っ払ってたからうちに泊めただけだ。」

「あ....。」


私は酔っ払った姿を見られたことにひどく赤面した。



「頭は痛くないか?」

「あ、うん。大丈夫だよ!!」


こうしていると未だに恋人同士みたいだなと思った。

すると、秀もおんなじことを考えていたらしく、

「こうやっていると、まるで恋人同士だな。」


とつぶやいた。