After the rain

ここまで重なる偶然なんて、本当にこの世に存在するのだろうか。


「じゃあ俺とかすみちゃんて、もっとずっと前から会ってたんだ。」


気付かなかっただけ?

それとも、タイミング?


「何か、不思議な力を感じるなぁー。」
「だね!」


こんな風に笑い合える瞬間が来るだなんて。


一ヶ月前の日々からは、想像も付かなかった。



そして、この間に引き続き。


少しだけ遠回りをして、陽輔はかすみを送って行った。



「もう夜中だし、誰も見て無いし、二人乗りしようよ。」

陽輔が運転する自転車の荷台に座るかすみは、何度も「重くない?」と確認をした。

ふざけて、笑って、真近で見る陽輔の背中はやっぱり男性の物で。


広くて、大きく感じた。


遠慮気味に、落ちないように回した腕を、しっかりと掴んでいるように!と包まれた時。


陽輔の体温に、完全にやられた。


このままずっと続けば良いのに、って。


そう思っても、もうすぐそこはかすみのアパート。