After the rain

「あの、すみません！」


背後から、男性の呼ぶ声がした。


「あの！」


まさか自分の事じゃないと思っていたかすみの前に回り込んできた男性は手に、かすみのiPhoneを持っていた。


「これ、落としてましたよ。」
「えー！ありがとうございます！」


iPhoneを受け取るのと同時に鳴り出す、発車を告げるベルの音。


無情にも、最終電車は扉が閉まり。



発車してしまった。



それを見送る二人だけが、ホームに取り残されてしまった。