小さな頃からずっと一緒にいたからといって、いつまでも無遠慮なままではいられない。
でも、そうすると遠くなる。
物理的な距離だけじゃない、今までのつかず離れずの微妙な心の距離感も。
……どうしてレンアイって、こうも難しいのでしょうか。
こんなふうにね、君も少しくらい悩んだっていいんだよ、吾妻くん。
「……誰か、来てた?」
しばらくして、パソコンで何やら作業をしていた吾妻くんが唐突に口を開きました。
「え、何?」
「だから、……花火大会、誰か知ってる奴来てたかって」
「ああ、何人か会ったよ」
「誰がいた?」
相変わらず顔はこちらに向けないけれど、心なしか食いつきのいい吾妻くん。
……急に、何でしょう。


