「ダメ…。」





「はあ?」





「拓都はそういう優しさがだめなんだよ。もともと気のない別れた女にそんな優しさ振りまいちゃだめ…。」







「でも…」






「そんなんじゃ、ほんとに大事な人のこと傷つけちゃうよ。」





「…。」







「今でも好きなんでしょ?あの子のことが。あたしの心配なんてしないで大丈夫だから。ここで大丈夫。もうすぐそこだから、今日はありがとうね…。じゃー…」






「あぁ…。」




そう言って志穂は家のほうに歩いて行った