おばあさんちまでの帰り道慣れない下駄で歩くのが遅い私に拓ちゃんが合わせて歩いてくれた。 周りには私たち以外はいなくて蝉の声だけが聞こえる。 「ねえ、拓ちゃん…」 「なに…?」 「拓ちゃんの好きな人ってだれ?」 「…。さあな…?教えない。」 拓ちゃんは意地悪に笑いながら言った。