なんとなくそのまま、二人でそのページに目を通す。


その中の文章に、私の目が止まった。


『キスは愛情を確かめる方法のひとつだから、私はつねにしたいです!』


『好きだったらキスをするのは当たり前でしょ?しないなんて信じられない!』


「そうなのかな?」


思わずつぶやいた言葉に、ひろ君が「どうした?」と反応した。


「キスって、そんなに大事なのかなって思っちゃって。あっ、別にひろ君とのキスが嫌とかそんなんじゃなくて……。なんて言うか……」


口ごもる私を見てクスッと笑ったひろ君は、雑誌を閉じて枕元に置き、私が羽織っていたカーディガンを脱がせ、そっとベッドに私を横たえた。


「春菜の言いたいこと、何となく分かるよ」


布団を掛けてくれて、優しく頭をなでられる。


「キスすることで、気持ちを確かめるってあると思うんだ」


「それは、私も思うよ」


「だけど俺たちは、心でつながってるから」


「うん、そうなの」


キスは、恋人や夫婦の愛情表現だから、すごく大切なことだっていうのは分かる。